- ◆ 2020年04月03日
- PS4、PS5本体関連
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ソニーの次世代ゲーム機『PS5』のさらなる詳細な技術仕様が判明。PS5搭載の超高速SSDはゲームに変革をもたらす

PS5のブーストモード
これまでの機器はCPUとGPUをフル活用したとき消費電力が上がり、クロック数が減少していた。逆にクロックを維持するために消費電力を上げていた。しかしゲーム側の処理でCPUとGPUの両方をフル活用している場面というのは非常に稀なことでGPUの周波数が上がってる時はCPUは暇を持て余している事が多い。逆も然りだまた、消費電力とクロック速度は直線的な関係ではない。周波数を10%下げると消費電力は27%減少する。一般的に10%の消費電力を削減しても周波数は数%しか変わらない。
PS5ではクロックを維持するために消費電力を上げたり、熱効率のためにクロックを下げる、CPUとGPUの両方をフル活用して熱効率を上げるといった非効率な動作をやめました。
我々はクロック数や消費電力でCPUGPUの動作を変えるのではなく、ホットスポット(熱密度)が同じになる周波数を見つけることで、冷却を続け常に良いパフォーマンスを維持しながら動作し続けることを実現したのです。
仮にこれらのシステムを無視し、開発者が最適化せず実行した場合、従来ではハードウェアの電源ごと落ちる可能性はあったが、PS5では適切に処理できるとのことです。

PS5とPS4の関係、互換性
PS5ではPS4とPS4Proの互換性を維持するためにRDNA2 GPUに追加ロジックが追加されています。ではCPUは?サーニー氏によると「PS4に搭載されたJaguar CPU用に作成されたロジックはZen 2 CPU上で正常に動作しますが命令の実行タイミングが大幅に異なることがあります。」
「私たちはAMDと協力して特定のZen 2コアをカスタマイズしました。それにより後方互換性を実現しています。」
とのこと
PS5のSSD
PS5のカスタムSSDはロード時間の短縮だけでなく、ゲームの世界をより大きく、より詳細に、よりダイナミックにメモリを使用することが出来るという点でゲームに変革をもたらすSSDソリューションです。ローレベルとハイレベルのアクセスがあり、ゲームメーカーは好きな方を選択できます。開発者が新しいハードウェアの超高速性を利用できるのは新しい「I/O API」のおかげです。
これまでにあったファイル名やパスの概念は廃止され、IDベースのシステムを採用することで、必要なデータがどこにあるのかを迅速に伝えることができるようになりました。
開発者はID、開始位置と終了位置を指定するだけで数ミリ秒後にデータが配信されます。1つはIDのリストで、もう1つはメモリの割当と開放を中心に行っています。
わずか数ミリ秒のレイテンシで1フレームの処理時間内にデータを要求して配信することができます。これは同じ処理に通常250ミリ秒かかるHDDとは対照的です。このことが意味するのはコンソールでデータを処理する方法がこれまでとは全く異なり、より効率的な方法で処理できるということなのです。

私は「スパイダーマン」「DEATH STRANDING」「ラストガーディアン」でプロデューサーをしていたのでシステムが実際にどのように機能しているかについて多くの洞察を得ることができました。
現行世代のコンソールでは多くのデータをRAMにキャッシュ保存する必要がありましたが、次世代では大幅な効率化への扉が開かれます。SSDは必要なデータの束をキャッシュするのではなく、必要に応じてデータを引き出すことが可能なので負担の多くを軽減できるのです。
SSDによって次世代のゲームにどのような変革をもたらすかを証明するもう1つの例として、従来のゲームのようにダミーデータを用意する必要性がないのでインストールサイズはより最適化されます。
また、SSD専用のKraken compression block、DMA controller、 coherency engines、I/O co-processors などによって開発者はSSDを最大限活用するための特注コードを必要とせずに超高速性を簡単に利用することができます。